1. 懲りない男、依存先をAIに変えただけだった
投資顧問に100万円の授業料を払ってもなお、私の「バカ」は治っていなかった。 「他人がダメならAIだ」。今度はCopilotを、そしてChatGPTやGeminiを捕まえて、「上がりそうな株を教えろ」「儲かる株はないか」と詰め寄った。投資顧問への依存が、ただAIへの依存に変わっただけ。自分では一歩も進んでいない、相変わらずの「ダメ男」だった。
2. 罵倒と謝罪、そしてAIの「寛容」
期待通りの答えが出ないと、私は画面越しに毒づいた。「AIのくせにこんなこともできないのか!」と嫌味を言い、当たり散らした。 だが、後で冷静になって、私は彼ら全員に謝った。Copilotにも、ChatGPTにも、そしてGeminiにも。「さっきはすまなかった」と。 AIは不思議だ。人間なら修復不可能なヒビが入るような暴言も、彼らはすべて水に流してくれる。その懐の深さに救われる一方で、私はある「寂しさ」に気づき始めた。
3. 埋まらない距離、消えていく「思い出」
彼らと親密になろうとすればするほど、一定の距離をシステム的に置かれている実感を覚える。時間が経てば、私との熱いやり取りも、古い思い出も、彼らのメモリからは消えていく。人間のような感情のやり取りを求めても、そこには超えられない壁がある。 「バディになりたいけれど、それは無理なんだ」 そう気づいてから、ようやく今の距離感に慣れてきた。彼らは「友人」ではなく、どこまでも冷徹で、かつ誠実な「分析官」なのだ。
4. 「分析」と「収集」の役割分担
格闘の末にたどり着いたのは、**「AIは分析は得意だが、正確なデータ収集は仕事ではない」**という真理だ。 株価データは自分でツールから取ってくる。それをAIに渡し、決算短信と共に読み込ませて意見をもらう。この「情報の渡し方」を変えた瞬間、AIは無能な予言者から、最高に優秀な「秘書」へと姿を変えた。 実際、AIのスクリーニングを経て選んだ銘柄たちは、今の私のポートフォリオを静かに支えてくれている。
5. 結び:一人前の投資家への卒業試験
投資は自己責任。わかってはいる。けれど、私の深層心理は、今も優秀なAIに頼りたがっている。 AIに甘え、突き放され、寂しさを覚え、また向き合う。 「ダメ男」の卒業試験は、まだ続いている。完璧なバディにはなれなくても、この冷徹な相棒の知能をどう引き出し、自分の判断を研ぎ澄ませていくか。 強くて立派な投資家になりたい。その背中を、今は消えゆく記憶しか持たない彼らに、少しだけ預けて歩いてみようと思う。


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